海外在住者が日本で相続手続きを行う場合の本人確認書類


Q:日本に住む日本国籍の父が亡くなりました。相続人は、日本にいる母と、アメリカに住む私、私の弟の3名です。私と弟は、いずれも日本での住民登録がありません。私は日本国籍ですが、弟はアメリカ市民権を取得しており日本国籍を喪失しています。このたび日本にいる母から、住民票や印鑑登録証明書が必要だと言われたのですが、どうすればよいでしょうか?

A:印鑑登録証明書は、日本における相続手続きに必要な書類であり、遺産に不動産が含まれる場合は住民票も必要となります。しかし日本での住民登録を抹消している場合、住民票や印鑑登録証明書は取得できませんので、これらに代わる書類を、下記いずれかの方法で取得する必要があります。なお日本国籍のある方は下記(1)(2)いずれの方法でも可能ですが、日本国籍がない方は原則として下記(1)の方法はとれませんのでご注意ください。

(1)在外公館で「署名証明」「在留証明」を発行してもらう

①「署名証明」(サイン証明)とは
「署名証明」とは、印鑑登録証明書に代わるもので、申請者の署名(及び拇印)が確かに領事の面前でなされたことを証明するものです。日本国籍を有する申請者本人が在外公館に出向いて領事の面前で署名を行う必要があります(代理申請や郵便申請は不可)。なお署名証明には、署名証明書と申請者が領事の面前で署名した私文書(たとえば遺産分割協議書)とを綴り合わせて割り印を行うもの(綴り合せ方式)と、申請者の署名を単独で証明するもの(単独証明方式。印鑑登録証明と同形式)の2種類があります。申請前にどちらの形式の証明が必要か確認しておきましょう。

②「在留証明」とは
「在留証明」とは日本の住民票に代わるもので、外国に住んでいる日本人が、その国のどこに住所を有しているか、またはその国内での転居歴を証明するものです。日本国籍を有し(二重国籍を含む)、現地で3ヶ月以上滞在し(または3ヶ月以上の滞在が見込まれ)、住所が公文書などで明らかであれば(現地の官公署が発行する滞在許可証、運転免許証、納税証明書、あるいは公共料金の請求書等に住所の記載がある、現地の警察が発行した居住証明など)、原則として本人が在外公館に出向いて申請することで発行を受けることができます(委任状による代理申請や郵便申請が可能な場合あり)。証明に関する詳細や発行までの日数などは、事前に在外公館に直接問い合わせて確認されるとよいでしょう。

(2)宣誓供述書の発行

 「宣誓供述書」とは、公証人の面前で「出頭した者が書類作成名義人本人に相違ないことを確認して、出頭者が提示した書面に署名した」という事実が認証された書面です。日本国籍の有無にかかわらず作成可能です。現地または日本の公証役場で、公証人の前で住所と署名とを宣誓して「宣誓供述書」を公証してもらいます。なお、現地で宣誓供述書を作成した場合、不動産の相続登記においては、宣誓供述書を日本語に翻訳証明付きで翻訳をして、日本においても公証役場で認証を受ける必要がありますのでご注意ください。

 なお、日本国籍がない場合、原則として在外公館での「署名証明」「在留証明」の発行はできません(上記(1)の方法)。しかし、国籍を失ってからの期間等により、国籍喪失後でもこれらの書類、またはこれらに代わる書類を取得できる場合もあるようです。細かい条件は各在外公館が定めていますので事前に問い合わせることをお勧めします。

外務省の参考HP http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000554.html

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