生命保険金は遺産に含まれるか


Q:日本に住む日本国籍の母が遺言を残さずに死亡しました。母は、私を受取人とする生命保険を契約していたのですが、私の兄弟が「生命保険も母の遺産なのだから、生命保険金は子供全員で分けるべきだ」と言っています。兄弟のいうとおり、生命保険金は遺産に含まれるのでしょうか。

A:お母様の相続には本国法である日本の法律が適用されます。この場合、契約者がお母様、受取人が子供の保険金は、受取人が自分自身の権利として取得するものと考えられますので、原則として相続財産には含まれません(日本の相続税上の取扱いとは異なります)。

 しかし、相続財産の総額と比べて、生命保険金の額が多額である場合など、受取人である相続人と、他の相続人間の不公平が著しいと評価される場合には、例外的に、生命保険金は遺産が前渡しされたものと扱い(「特別受益」といいます)、相続手続きの中で考慮される場合もあります。

 相続財産の範囲や評価、分割の方法などで当事者間で話し合いがまとまらない場合、日本の裁判所で調停や審判といった手続きをとることになります。このような場合には、早急に当協会までご相談下さい。

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